父と、母。 (母のがん 25)

月曜日、母の側に座っていると、看護婦さんが、「お顔が苦しそうになったら、教えてくださいね。」 と言われる。 痛いのかな? 分かるのかな? もう、苦しいって、言えないのかな? 先週来た時は、たくさんおしゃべり出来てたのに。
ずっと眠っている母の顔を眺めていると、突然ゆがんでしわくちゃな状態になる。 慌ててナースコール。 すぐに来てくださって、麻薬の皮下注射をされる。 母のしわが無くなる。 そうか、もう言えないんだね。
5-13緩和病棟15-13緩和病棟
緩和病棟、有料(1日¥4630)の部屋は、とても広く、家族が沢山集まってもゆったり、快適でした。 小さな炊事場や、ソファーベットも付いて、付き添いの人に、シャワーも無料でお借りできるとの事。 お蒲団もレンタル出来たので、妹に代わってお泊りする事に。

トイレに行けないので、前日から尿管に管を入れてもらっていました。 なにか、違和感があるようで、突然 「トイレ。」 て言いました。 「大丈夫、おしっこしても大丈夫だから、。」 と言っても、嫌な顔。

暫くすると、父が田舎から1時間半、バスに乗ってやってきました。 
お母さんに、「お父さん、来たよ。」 と、言うと、父の方を見て、「ありがとう。」 と、言います。
2日前に来た時は、何も話せない状態だった様で、いつも表情を出さず、笑い顔もみせない父がびっくりして母に顔を近づけて、「わかるんか? あんたぁ、わかるんか?」 と、嬉しそう。 母は目を開けて父を見ると、また眠ります。

甥っこが東京から来てくれていたので、父と屋上に行ってみました。 妹が車椅子を借りて、母と何度か散歩に行ったようです。 「仏舎利塔が見えるんじゃろう?」 と、ぐるぐるまわりを見ていると、ビルの合間から、ちいさな銀色の仏舎利塔が見えました。

病室に帰ると甥っ子が、「おばあちゃんがおじいちゃん、探してるよ。」 と言います。 
父がいなくなった事に気付いた母が、「おとうさん、おとうさん。」 と、呼んでいました。 その寂しそうな声を聞くと、2人で過ごした長い年月のつながりを、強く感じます。

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